Waves NLS とは?
まず特徴からざっくりと。
3種類の名機と呼ばれるコンソールのヘッドアンプをシュミレートしたプラグインです。
コンソールって所謂あのミキサーのやつですね。
ヘッドアンプって言うとギタリスト的にはアレかなって思ってしまいそうですがミキサーのプリアンプだと考えれば良いと思います。
3つのコンソールタイプ(SPIKE、MIKE、NEVO)の各キャラクターは以下。
SPIKE
Mark ´Spike´ Stent(Björk, Muse, Maroon 5, Madonna)所有の「マジカル」ソリッド・ステート・コンソール
MIKE
Pink Floydの名盤「狂気」にも使用されたMike Hedges(The Cure, Siouxsie and the Banshees, Dido, Faithless, Manic Street Preachers, U2)所有のクラシック・コンソール
NEVO
Yoad Nevo(Bryan Adams, Pet Shop Boys, Sugababes, Goldfrapp, Air)のためにカスタマイズされたヴィンテージ・ブリティッシュ・コンソール
ChannelとBuss
NLSにはChannelとBussの2種類が存在します。
Channel
Channelは各トラック(全トラックに挿す)のプラグインインサートの最終列に挿します。
Buss
Bussは各トラックのNLS ChannelとVCAグループ毎にリンクしています。
各Channelがモノラルだろうがステレオだろうがここで受け取れます。
いわゆるステムミックスが出来ます。
ここでは1つのBussで8つまでコントロールできます。
Buss自体のVCA GROUPを8に設定して「Master」として使います。
これでステムミックスした後の音量をVCA GROUPS CONSOLEの8のフェーダーでコントロールできます。
BussもSPIKE、MIKE、NEVOのキャラクターが選べてDRIVE、TRIMの設定が個別に出来ます。
赤いツマミでドライブのかかり具合を調節できます。
使い方
Waves推奨の「サミングボックス的な使い方」を前提に話していきます。
このプラグインめちゃくちゃわかりにくいんですが、
「DAWの各トラックからSENDするミキサー(Waves NLS)を別途、外部に用意してRETURNで指定したバストラックに帰って来る」と考えるとわかりやすいです。
DAWの各トラックがそもそもミキサーみたいなもんなんですが、
このフェーダーを弄らずに外部のミキサー(Waves NLS)でバランスやサチュレーションは調整しちゃいます。
信号の流れ
まとめます。
1.DAWの各トラックとは別に外部にミキサー(Waves NLS)があって
2.各トラックからミキサー(Waves NLS)の各トラックに分配する
3.ステムミックス(各グループ毎に音量バランスや音色を整える)した後に
4.指定したDAWのバストラックに返ってくる
ということらしいです。
わかりにくいのでもう一度まとめます。
各チャンネルの最後に挿されたNLS Channel→NLSという名前の外部ミキサー→DAWのNLS Bussが挿さっているバストラックへ繋がる
ということは
1.各トラックの最終段に挿されている「DRIVE」を6まで上げて
2.NLS Bussの「DRIVE」つまみやVCA GROUPS CONSOLEの各グループについているで赤いツマミで更にDRIVEを6上げると
3.合計で12上がったことになる
ということです。
操作する順番
上記の事をまとめると、
先にVCAグループにまとめておいてVCA GROUPS CONSOLEの赤いツマミでDRIVEを調整、
その後グループに含まれている各NLS Channel側のDRIVEを調整、のほうが使いやすいかと思います。
なんでこんな複雑になってるのかって話なんですが、
実際のレコーディングでも「音作り」した後に「ミキサー」に音が入って「録音媒体」に録音されるという仕組みなので
「ミキサー」に音が入った時にDRIVE感が増して「アナログの音良いっすね!!!」ってなるわけです。(強引)
実践編
例えばギターだけにNLSを通したいと考えた場合のセッティングを紹介します。
DAW側のトラック
例えばツインギター構成でこんな感じのトラックだったとします。
guitar1が左側担当、guitar2が右側担当です。
guitar1・guitar2の各トラックにNLS Channel Monoが挿さっています。
なぜMonoなのかと言うとギターの各トラックはモノラルだからです。
この2本のギターをまとめたバストラックが存在します。
2本のギターはこのバストラックに対してOUTしているので
2本のギターをまとめたバストラックのみが鳴っている状態です。
このバストラックには「NLS Buss Stereo」が挿さっています。
ギターを左右に振ってあるのでこのトラック自体はステレオです。なのでStereoにしてあります。
コンソールタイプはChannel、Buss共に「MIKE」を使おうと思います。
もちろんそれぞれ別のものを選択することも出来ます。
NLS側の設定
2本ともVCAグループは「1」に設定しました。
NLS Buss Stereoの1番のフェーダー部分に音が入ってきます。これをわかりやすいように「Guitars」と名称変更しました。
NLS Buss Stereo側で「NOISE」ボタンを押すと連動してguitar1、guitar2も「NOISE」がONになります。
これはアナログコンソールを通った時のノイズを足せるという代物です。
はい!連動してますね!そしてアナログっぽくなったね!(?)
更にアナログっぽいツインギターにするために「Guitars」チャンネルのDRIVEつまみを上げていきましょう。
極端に上げてみました。
現在値は「8」です。ドライブ感が増してカッコいいギターの音になりました。
設定前
設定後
例えば右のギター(guitar2)がもっとドライブ感が欲しいな・・・
となった時にNLS Channel側のDRIVEを上げていきます。
やってみましょう。右のギター(guitar2)のDRIVEを10上げてみます。
これで右のギター(guitar2)はDRIVEをの値が足されて「18」となりました。
設定後
という感じになります。
さらにNLS Buss本体のDRIVEも12上げてやるぜ!歪み最高!
となると
・guitar1 DRIVE値 0+8+12=20
・guitar2 DRIVE値 10+8+12=30
となったわけです。
要らないと思いますが設定後のサウンドです。
NLS BussにはMasterに設定した8番、「Guitars」に設定した1番の他にまだ6つ残っています。
後ギターを6本足せますね。足さないと思いますが。いやクリーントーン用のセッティングとかトラック分けてる場合は足すか。
のような使い方が出来るのでアナログ感マシマシでサウンドメイクを楽しみましょう!
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